IPOHの鍾乳洞
23日(水)曇。今日は卓球の日。尖閣、竹島が本当に日本固有の領土と言えるのか。いよいよ怪しくなってきた。竹島については尖閣以上に言い切れる自信が私にはない。日本、韓国双方が証拠文献を上げ、固有の領土だと主張している。どちらの言い分にも理がある。
歴史的文献の古さで言えば、韓国の方が古く日本は江戸初期である。そして今政府が固有の領土論の根拠にしているのが、1905年の閣議決定による鳥取県編入となると、日本の形勢が悪くなる。05年と言えば韓国併合を前に韓国から外交権を奪って保護国にした年だ。
対等に物が言えない状態で一方的に編入したということである。敗戦時、アメリカは竹島はポツダム宣言に従い「日本の範囲から除かれる地域」とした。しかし、51年のSF条約では05年以来、島根県に属するとし、08年の地名委員会では韓国領としているのだ。
煌びやかな中国寺院
要するに、アメリカの竹島に関する見解は揺れ動いているということ。安保条約の適用地とも言わない。竹島は1849年フランス発見時の地名でリアンクール・ロックと表記。島ではなく(ROCKS)だと。これが国際的に使用され、米国での公式名称になっている。
尖閣も竹島もそれぞれの立場で島の領有を主張し、論争があったことは否定のしようがない。だからこそ、それぞれの島の近海で行われてきた漁業をめぐって韓国とは日韓基本条約締結時に、中国とは日中国交回復以前やその後も漁業協定を結んで調整してきた。
つまりは領有権を主張しながら、その決着は将来に委ねるという棚上げ論である。特に尖閣諸島のそれについては、1972年の国交回復宣言、78年の日中平和友好条約の締結以来の自明の論であったから、野田政権の尖閣諸島の国有化宣言までは平穏だったということ。
錫鉱山
とはいえ、78年の日中平和友好条約締結の4か月前に、中国漁船が約140隻尖閣諸島周辺に集結し、内約10隻が領海内に侵入した事件があった。日本の巡視船3隻が立ち退きを要求したが動かなかった。危機的状況で米軍が駆け付けたか。米軍は全く動かなかった。
日中間で「棚上げ」という言葉は使われていない。中国側が実質的に棚上げを提案して、それを日本側が受け入れてきたというのが事実関係だと孫崎氏。それを管内閣が「領土問題は存在しない」といい、野田内閣が国有化宣言。安倍内閣が挑発しているということ。
現時点での解決法は日本が管内閣以前までもどり、領土問題の存在を認め、漁業協定に倣い、石油資源も共同管理の方向で話し合いが行われるべきだ。ドイツに倣い、日本は戦争への反省も込めて、大国としての度量を示して過去を清算する方法が最善だと思う。
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