キャメロンで1月に咲いている花
30日(木)43年ほど前、私たちは2歳の娘を連れて車で北海道に渡ったことがある。当時は青函トンネルもなく、下北半島の先端の大間からカーフェリーで函館を目指したものである。下北半島は荒涼とした風景で、二度と来なくてもいいねと話した記憶がある。
その下北半島が動き出したのは69年閣議決定された新全国総合開発計画だ。もともと旧満州やシベリアからの引揚者が荒野を開拓した土地だった。石油精製、石油化学、鉄鋼などの一大プロジェクトが計画されたが頓挫。そこで目をつけたのが原子力ムラだった。
今や「最悪の核施設六ヶ所再処理工場」(小出氏等の著書名)が建ち、その北に東北電力の東通原発1,2号機、東京電力の1,2号機(建設中断中と建設計画中)があり、そして電源開発(Jパワー)の大間原発(建設中)とまるで原発銀座になりつつある。
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改めて地図帳を見てみると、六ヶ所村の再処理工場からわずか28キロ南の地点に米軍三沢基地があったことを見落としていた。私が久しぶりに原発問題を取り上げようと思ったのは前述の小出裕章、明石庄二郎、渡辺満久3氏の共著を読み始めたこともある。
それ以上に原発最大の問題は核廃棄物の最終処分だと思うのに、国会でもマスコミでも大きなニュースにならないことにいら立つことがある。細川や小泉元首相が原発推進の前言を翻し、原発ゼロを本気になって訴えるきっかけがこの問題だという認識は正しい。
東通り原発も大間原発も3,11の原発事故で当然計画中止と思っていたのに、安倍政権の誕生で息を吹き返してしまった。反対運動がなければ、今頃工事再開になっているだろう。特に大間はより危険なフルMOX燃料による専用原発として計画されているのだ。
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大間から23キロしかない函館市が住民と共に訴訟中である。12年の10月野田政権がゴーサインを出した。2017年完成予定の原発が稼働するようなことがあれば、大間マグロで有名な鮪漁場が高温の排水でお放射能汚染されることは確実で、何としても阻止すべきだ。
何より追求すべきは六ヶ所村の再処理施設なのだが、その前に六ヶ所村の核燃サイクル施設の全容を概観しておきたい。六ヶ所村にはウラン濃縮工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、使用済み燃料受け入れ・貯蔵施設、低レベル放射性廃棄物埋設センター。
私の科学的知識は極めてお粗末なものだが、私のような全く素人な人間がこの危険性を理解できなければ理解は広がらないような気がする。3氏の著書に頼りながら、できるだけ自分の言葉で書いてみたい。経済学者の池田信夫でさえ大きな顔で原発を擁護しているのだから。
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