2月初旬の公園
30日(土)晴。久しぶりのテニス。毎日朝ドラ「花子とアン」を観ている。昨年の「ごちそうさん」もそうだったが、戦時中の生活が挟まる。こういうドラマを見て、国民は一体何を学んでいるのだろうか。今まさに、あの時代の前夜だと思わないのだろうか。
朝ドラの原作者で孫に当たる村岡恵理さんはしんぶん赤旗8月31日号に「わからなかったのは、なぜ祖母のような人が、文学報国会の一員として戦争に協力していったのかということです」と語っている。白蓮はなおのこと、ペン部隊の従軍記者として武漢作戦に参加した。
花子は市川房枝氏と共に普選運動に参加し、白蓮は帰国後、自己批判をしている。いかに立派な文学者でも時代の雰囲気に呑みこむのが戦争なのだ。問題はどのように反省するかだ。井伏鱒二は将校とケンカしてSingaporeから帰国し、中島健蔵は戦後自己批判してその作品も残している。
2月のつつじ
私たちが朝ドラを観て、ひどい時代だとか、可哀そうだと思っているだけなら、全く作者の意図を理解しないことになる。あの犬や馬が戦争のために動員される時代に教科書が国家の意のままになり、ただ戦意高揚のためにだけに利用された事実に目を向けなければ。
今全国各地で展開されている権力による圧力はとどまることを知らない。埼玉県教委は条件付きで実教出版の採択を認めたが、県議会の「教科書を考える議員連盟」が採択撤回を要求し、県議会文教委員会は採択した校長を呼んで追求した。当局は問題なしとした。地方議会の多数を握るのは自民党だ。
宮城県議会は「つくる会」宮城県支部提出の中学歴史・公民教科書の点数評価を求める請願を自民党の多数で採択した。(これが自民党が多数を占める自治体での常套手段である)新潟県議会がそうだが、議員個人はその内容についてほとんど知らず、幹部の言いなりだ。
2月のバラ
今年度は上からの圧力は更にエスカレートし、ほぼ県教委の意のままに進行している。かろうじて、東京新聞が「実教教科書広がる自主規制『校長指示で希望覆る』複数校で証言」と伝えられた程度だったという。一体、大手マスコミはこの問題をどう見ているのか。態度を明らかにすべきではないか。
神奈川県の教育長は公然と「事実と異なる教科書は採択できない」と言い切ったという。教科書の記述が事実と異なるかどうかを判断する権限が一自治体の教育長にあるのか。もはやメチャクチャである。実教出版の教科書がそれほど偏向した教科書なのかどうか。指導要領に基づく限り、大差はない。
大阪府教委は他の教科書にも問題があると。つまり、国旗・国歌はとりあえずの攻撃目標で、実は侵略と植民地支配に関わる記述を問題にしている。中学校の日本書籍の歴史教科書を排除し、倒産に追い込んだように、とりあえず実教出版がターゲットにされた。おそらく、撤退に追い込まれよう。
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