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NO3058 731部隊の蛮行は決して許されない(68)

スペインの思い出

スペインの思い出 26日(日)快晴。そろそろこの蛮行の報告を閉じたいのだが、この蛮行に関わった犯罪者たちが戦後70年になる今日まで何の責任も問われず、大学に復職して研究者や教壇に立って医の倫理を説いたり、開業医として平然と手術を執刀したりして命に関わったこと。

 

 かってベトナム戦争で枯葉剤が、そして今日でもシリアやイラクなどで生物化学兵器が許しがたい兵器として取り上げられるが、その淵源をたどれば、ナチスや旧日本軍の731部隊による人体実験の成果を活用しただけともいえるわけで、日本の責任は重いと言える。

 

 731部隊の犯罪者たちが実験データをアメリカに引き渡す条件で免責された話はすでに書いた。ところが、ドイツではナチスの人体実験に関わった医師たちが厳しく裁かれ、逮捕された医師20人中7名が死刑を執行された。この差が何なのか理解しがたいのである。

 

スペインの思い出 

スペインの思い出 常石敬一氏の「消えた細菌戦部隊」の解説を書いている米本昌平(東大・科学史)氏がこの問題に触れている。ナチスの人体実験の中心は労働可能なユダヤ人から子種を奪うためのX線や薬物による大量断種実験で、投入された資金、医師等の量は石井部隊に比べ少ないと。

 

 石井部隊は細菌兵器開発を目的とする高度に組織化された研究機関であらゆる種類の病原菌の培養・運搬・効果・予防についての綿密な実験、さらには家畜や農作物に関するものまで研究を体系的に行った。つまり、アメリカがナチスのデータ以上に欲したと。

 

 731部隊を免責したアメリカの責任はともかく、ドイツが連合軍によるニュルンベルク裁判のあと、ドイツ人自身の手でナチスの戦争責任を追い続け、時効まで停止して今日も続いている。それに対し、日本はそれができなかった。731部隊の犯罪者を野放しにした。

 

スペインの思い出 

スペインの思い出 森村誠一氏が「悪魔の飽食」で写真を誤用したからと言って、731部隊員による証言及び事実が消えるわけではない。自由主義史観論者たちは鬼の首でも取ったかのように、例によって森村氏を攻撃し、731部隊の悪行そのものがなかったかのように説いて回っている。

 

 当時の石井隊長をはじめ、首謀者たちはすでに鬼籍に入ったが、当時雇員として手伝わされた少年たちが証言をしている。最新ではなんと読売新聞大阪本社が07年4月三重県尾鷲市の大川福松さん(88歳)の証言を載せている。「毎日2~3体生きた人間を解剖した」

 

 「ペストやコレラ、梅毒などの病原体を人体に注射して感染の状態を調べたり、人為的に凍傷を作った」「子持ちの慰安婦を解剖したこともあった」戦後口を閉ざしてきたが「不正なことは社会にはっきり示さなあかんと思うようになった」と動機を語っている。

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