長期の海外出張や転勤で忘れがちなのが、住民登録の転出届。出発前に居住する区市町村の役所(場)に国外移住届を提出する。非居住者になると、所得税は出発のときから、また住民税は翌年6月から納付の義務がなくなる。とくに単身で出国する場合には、均等割の住民税のみが徴収されるので確かめておく。
しかし、国内に所有する固定資産(土地、家屋)には非居住であっても、固定資産税が課税される。したがって、家族全員で渡航する場合には、納税代理人を指名し、役所(場)に届けなければならない。代理人は、固定資産税決定通知書、納付書の受領や固定資産税の納付を代行することになるので、親族が適任である。これが難しい場合は勤務先や、役所(場)、弁護士に相談すればよいだろう。
1週間から2日前までに営業所へ連絡すれば、当日精算に来る。海外のほとんどの国では、現在使用中の電気器具はそのままでは使用出来ないので、周波数、電圧などを確かめて部品を交換するか、変圧器を用いるか、日本へ置いていくか、対策をたてる。
1週間から3日前までに受け持ちの水道局へ連絡すると(その際領収書等のお客様番号が必要)、当日精算に来てくれる。
都市ガスの場合、1週間から2日前までにガス会社に連絡し、出発当日に精算に来てもらう。ガスを止める手続をしないと、基本料金を支払うことになる。レンジ、湯沸かし器などは現地の住居にほとんど備え付けてあるので持っていく必要はないが、どうしてもという場合はガス器具メーカーの国際部に相談してみるとよい。
プロパンガスの器具は各国共通なのでそのまま使用できる場合も多い。
取り外し工事は10日前までに申し込む。料金の精算は、手続の関係上すぐにはできない。電話番号を変えたくない場合は局で保管してくれるが毎月の料金が必要(住宅用)、権利だけの保留は無料。処分するには専門の業者がたくさんあり、相場も違うので電話帳の「電話取引業」欄で調べて問い合わせる。
半年払い、年払いの受信料は精算して返金してくれるので領収書に書かれている営業所へ連絡すればよい。
ダイヤル通話登録は電話を処分すれば自動的に取り消される。国際電話料金の口座振替を利用している国際電話会社で確認し、支払っておく。
公共料金、電話料金などの口座振替を利用している場合は、銀行に取りやめの手続をしておく。銀行口座は、貸金庫使用料、租税公課など留守中に支払う必要経費の精算のために残しておいた方がよいだろう。
新聞、クリーニング、近所のお店などの支払いは間際になると忘れることも多いので早めにすませておく。税金、交通違反の反則金などの支払いも忘れないようにする。
郵便の転送など種々の連絡を受けてくれる人を決めておく。かなり厄介な仕事なので両親や兄弟に頼むのがよいだろう。その場合、赴任後に日本で買い忘れた物や足りなくなった食品、子どもの学用品などを購入して送ってもらうことが多くなるので、郵送用の宛名ラベルや通関申告書、送り状などは、記入済の用紙を何枚も渡しておくようにする。
外国からの送金は面倒なので、留守中に支払う必要経費(租税公課や留守宅管理費、郵送料など)や不測の買物費用などの精算方法を打ち合わせておく。
国際運転免許証は、運転免許証を持っていれば簡単に取得できる。手続は自分の住んでいる都道府県公安委員会の運転試験所で行う。
国際運転免許証は取得から1年間有効で更新制度がないため、有効期限後は現地の免許証取得が必要。国際運転免許証で運転可能な車は国内と同様である。
この免許証では日本国内は運転できないので注意する。
日本の運転免許証を持参すると、一定の手続をとれば外国の免許証に書き換えることができることもあるので持参した方がよいだろう。
なお、長期滞在により、日本の免許証が失効した場合には、外国の免許証で国際免許を取得すれば日本国内で一時帰国の際でも運転できる。
当然のことながら、自分の乗る車の保険の有無を確かめることはいうまでもない。
日本国籍があれば、外国に住んでいても、任意で国民年金に加入できる。加入できるのは20歳以上65歳未満。厚生年金と共済年金にも加入できる。
配偶者も国内と同じ扱いだが、厚生年金の適用事業所でない現地法人などに勤める場合は、加入者でなくなるので、国民年金に任意で加入することになる。厚生年金と国民年金の保険料を払った期間が、合計25 年以上になると、老齢年金を受給する資格ができる。
国民年金への任意加入を希望する場合、これから海外へ行く場合には、居住地の市区役所・町村役場、既に外国に住んでいる場合には、日本国内における最終住所地を管轄する社会保険事務所が窓口となる。
国内の最終住所地に親族が住んでいる場合は、その人に加入手続や保険料の納付などを代行してもらうことができる。サラリーマンの妻の場合は、夫の勤務先を通じて手続をすることもできる。

