各企業や事業所では、一般的に海外出張規程や社員海外旅費規則などで、社員や職員の海外出張についての旅費を定めている。ただし、旅費の支給基準や条件、金額などは企業や事業所によって差異がある。
海外出張が決まったら、所属企業や事業所の海外旅費規程をよく理解したうえで出張計画を立てるようにしたい。交通機関やホテルの選定などによって、差額を自己負担しなければならない場合もある。海外出張旅費規程の内容については、総務や人事担当の部署に問い合わせれば詳細がわかる。
企業によっては、H.I.S. 法人営業等の企業ごとに包括で手配して手配を行ってくれる旅行代理店で企業の旅費規程に沿って手配を行うことも可能である。
海外出張の旅費の種類は、次のようなものを指す
1)支度料
ほぼ80%近くの企業が支給しており、主に出張に必要な旅装や身の回り品をそろえる費用に充てる。職階別、出張地域別、出張期間別で支給額に格差をつけているケースが多く、初渡航か再渡航かによっても差がある。
2)日当
職階別、出張地域別に、食事代・雑費(食事のときのチップなど)を含めた定額の日当が決められている場合が多い。なかには日当は定額で、食事代は実費を支給する企業もある。
3)宿泊費
ホテルのルームチャージ、サービスチャージや税を含み、実費支給が一般的。ただし、ホテルを選択する場合、あまり高額にならないような配慮が必要だろう。
4)交通費
航空、鉄道、船舶などの運賃およびタクシー代は実費支給が常識である。ただし、合理的で最も運賃の安い経路を選択しなければならないことはいうまでもない。職階や出張条件によって、航空機などで利用できる等級が決められている場合が多い。
5)荷物輸送諸費用
長期間の出張、季節の異なる地域への出張、また業務上の資料など社用荷物を携帯する事情があるときは、航空便別送料金、携行手荷物料金が支給される場合が多い。自宅と空港間の宅配輸送料についても実費支給が一般的である。
6)渡航雑費
旅券(パスポート)取得印紙代、外貨買入れ手数料、戸籍抄本・住民票取得手数料、写真代、予防接種代など渡航手続き上で必要な諸経費のほかに空港使用料、出入国税などの実費がある。出張する国や就労の形態、滞在期間によって、査証(ビザ)の申請・取得費用が必要。企業によっては渡航雑費を支度料に含む場合もある。
7)通信費
国際電話、インターネット・メール、郵便料金など。
産業・経済のグローバル化にともない、近年は企業の海外戦略がより重要性を増している。外務省の統計によると、2002年に海外へ出国した日本人は約1651万人に上った。そのなかでもとくに、ビジネスマンの海外出張や海外赴任の割合が増えているのが目立つ。
企業やビジネスマンにとって、海外出張と海外赴任とでは法的な手続きなどでかなりの相違がある。代表的なものとして、「就労ビザ」取得の有無と労災保険の適用対象の有無の2点が挙げられる。
日本の労災保険の適用範囲は、原則として国内の事業に限られている。ただし、海外赴任者でも事業者が労災保険法27条にもとづく特別加入の申請をすれば、海外でも国内と同様に適用されるが、手続きは強制ではなく任意加入である。海外出張の場合は、特別加入の手続きをしなくても労災保険の適用対象となり、給付が受けられる。
海外任務に就くときは、海外出張かそれとも海外赴任に当たるのかを、きちんと判断しておく必要がある。任務に就く国での滞在期間の長短は、区別の判断基準にならないことも承知しておこう。長期間にわたる海外出張もあり得るのである。
日本人が海外へ出かけるときに、必ず必要なのがパスポート(日本国旅券)である。パスポートは、その所持者が日本国民であることを証明する政府発行の身分証明書であり、日本からの出国および日本へ入国(帰国)するときの許可証でもある。
また、パスポート所持者が滞在する国の政府や関連機関に、日本政府が所持者本人の安全と保護を要請(2国間条約および国際的倫理慣習により、相互に内国民待遇や便宜をはかるよう取り決められている)する公文書の役割も果たしている。
パスポートの取得・所持は、渡航希望国への入国許可証(査証/ビザ)を申請・受給するための必要最低条件でもある。海外出張に限らず旅行などで渡航の予定がある場合は、早めに取得しておこう。
パスポートを必要とするのは、「出国・入国のとき(空港や国境で)「トラベラーズチェックを現金化するとき」「免税店で買い物をするとき」「海外から小包を送るとき」などで、いつでも取り出せるように身につけておく。
ビザ(査証)は、外国人の入国許可を示すもので、その国の政府が交付する。したがって、日本人がアメリカへ行くときは、アメリカ政府が発行したビザが必要となる。その原則はどこの国にも当てはまり、海外へ行く場合は相手国のビザを申請・取得しなければならない。
ただし国によっては短期間の観光や業務出張・商用などの場合は、ビザがなくても入国・滞在が可能である。日本と相手国との相互で取り決めた、査証免除(ビザウェーバー)が適用されるからで、免除の期間は国によって異なる。
だが、査証免除期間内でも、必ず入国できるとは限らない。国によっては、帰りの航空券がない場合や、パスポートの有効期間が規定以上ないと入国を拒否されることもある。入国やビザの規制は、相手国の法改正で急に変更されたり、短期間でも渡航目的によってはビザが必要になったりするケースもあるので、相手国の最新情報を知ることが重要である。
また、ビザの代行手続に関してはH.I.S法人営業等の総合旅行会社で手配が可能なので、ビザが必要な際には相談してみることをお勧めする。
一般的に海外赴任とは、赴任国の事業所に所属し、そこから報酬を得て業務に就くことを指す。したがって、赴任国で就労することになるため、その国の「就労ビザ」を取得しなければならない。
それに対して海外出張は、国内の事業所に所属したまま海外で業務を行う。つまり国内の事業所のために仕事をして報酬を得るので、海外での就労には当たらず「就労ビザ」は不要となる。
原則として、いくら短期間でも相手国で就労して報酬を得る場合は、就労ビザ(ワーキングビザ)が必要となる。また出張期間が査証免除期間を超える場合も、相手国が規定した就労または滞在目的に適合したビザが必要である。
近年は、国際テロリストや不法入国者・不法就労者などへの対策として、ビザの申請・取得に厳しい規制を設けている国が多い。なかでも就労ビザの取得は、年々厳しくなっているのが現状である。
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