ハノイ城内
29日(月)晴。百田は「冗談」で逃げ切れないと思ったか、今度は「本気でつぶれたらいい」と開き直った。どこまで恥さらしな男かと思う。どうしてこんな男の小説「永遠のゼロ」がベストセラーになるのか。発刊が第一次安倍政権と重なるところがヒントになる。右傾化の世相だ。
百田は宮崎駿氏が描いた「風立ちぬ」を映画で観て、反戦主義者である宮崎が転向したと思って涙を流したという笑い話があるが、宮崎氏は百田の「永遠のゼロ」の映画を「嘘八百を書いた架空戦記を基にして、神話の捏造だ」と酷評。「零戦で誇りを持とうなんて言っている」と。
百田発言に対し新潟日報紙は「言論の封殺は許されない」との社説を、山形新聞は社長名で緊急声明「言論の封殺の暴挙を許すな」を出し、信濃毎日は「民意より自身の信条や国家観を重視する首相の政治姿勢がこの状況を招いていないか」地方紙が声を上げ始めた。
戦時中は対日司令部地下壕
百田に潰せと名指しされた沖縄の2紙は日報にも寄稿し、沖縄タイムスの編集局次長・石川達也氏は「底流には数の論理で反対意見を封じ込めようとする政権そのものの本質が見えてくる。沖縄だけの問題ではない。メデイアへの攻撃は『言論の自由』への挑戦だ」
本土のメデイアも覚悟が必要だと警告してもいる。そして、元白梅学徒隊の中山きくさん(86)の言葉「無謀な戦争に突き進んだのは、政治圧力に屈した報道機関がうその情報を流し続けたからだ。あの暗い時代に戻ってしまうのでは」を引用している。
「沖縄タイムスの先達は戦後、二度とこの地で住民を戦争に巻き込ませない、それにつながるペンを取らないとの思いで新聞を発刊した。今何が起きているか、安保法案が県民、国民生活に何をもたらすのか。報道機関はそれをしっかり見据え、時に権力に対し「ノー」をいう使命がある」と。大手マスコミ幹部は安倍などと酒を飲んでいる場合かと言いたい。
ここで司令部会議が
今朝の新聞は百田のおかげで沖縄特集になっている。7面には全面を使って「沖縄は問う」で沖縄返還時の裏話が載っている。沖縄返還でノーベル平和賞まで手にした佐藤栄作の許しがたい発言。当時の国民に説明された「核抜き本土並み」は何重にも嘘だったのだ。
基地返還に伴う返還費用の密約ばかりではなかった。ニクソンとの会談に先立つ69年2月、首相官邸で米紙編集者・ハリー・カーンとの極秘会談で「日本が戦争に巻き込まれても仕方がない。そういう事態が発生したら米軍は日本本土の基地をつかえばいいのだ」国民にはあの時、有事の際は「事前協議」すると説明したはずだ。戦争が始まって事前協議などありえない。