慣れたらいけない

今日あるブログを読んでいたら、驚くべき、悲しい事実を知りました。

世界一周の旅をされていたバックパッカーのご夫婦『タビロック』が、２人とも旅の途中で亡くなられたそうです。

直接面識はないのですが、以前何度か彼らのブログを読んだ事がありました。彼らは旅の最中で時間もインターネット状況も限られている中、他の旅行者のために、現地の情報を随時更新していました。自分にはとてもできないなと、そのホスピタリティーに感心したのを覚えています。飾らない親しみやすい文面からは２人の人柄も伝わってきて、なんだか他人とは思えないような、妙な親しみを感じていました。ほんとに残念でなりません。

なによりもショックだったのは、その死因です。マラリアだったのです。マラリアは早急に治療を受ければ治る病気です。私の友人もインドで感染しましたが、治療を受けて無事完治しました。それなのに２人は亡くなってしまった・・・。なぜ？

インターネットで得た情報によると、ご夫妻はアフリカで蚊に刺されてマラリアに感染し、南米のボリビアに到着してから発症したのだそう。高山病だと勘違いし、しかも海外旅行保険が切れていたために病院に行くのもためらっていたようで、処置が遅れてしまい、そのまま南米で息を引き取ったと・・・。

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タビロックの死を知ったいま、生まれてはじめて、旅の怖さを感じています。

明日は我が身、人ごとだとは思えません。
これまでの自分の行動を振り返って、なんともいえない気持ちです。
今こうして生きているのは、ただ運が良かっただけ。
お金を節約するために治安を考えずに安宿に泊まってみたり、
体調をくずしても手続きがめんどくさくて病院に行かなかったり・・・

旅に慣れてくると、良い意味でも悪い意味でも自信がつきます。
色んな修羅場をくぐり抜けて、ちょっとやそっとじゃ動じなくなる。
高熱だって、怪我だって、少し休めばすぐに直るだろうと思ってしまう。
治安の悪い所にも、スリルを求めて行ってしまう。
危機一髪の冒険をしたって、自分は絶対に大丈夫だと過信してしまう。

去年、私が世界一周していた時、親や友人に連絡を取っていなかった時期がありました。船上のインターネットは高額だったし、何より毎日忙しかったから。その間、陸で待つ大切な人達が心配しているなんてこれっぽっちも思わずに、旅に夢中だった私。そして、無事に帰国できた幸運を当たり前のように感じて、心配していた彼らを過保護だなぁなんて思っていました。

心から、ごめんなさい。
これからは、どこにいてもちゃんと連絡する。
リスクをおかしてまで冒険はしないよ。
そして絶対無事に帰ってくるから。
だって命より大切な旅行なんてない。

旅する事が悪いんじゃない。
未知の世界を経験するって、素晴らしい事だと思う。
でも油断してはいけない。
危険な地域や行動は避ける事。
海外旅行保険には必ず入る事。
具合が悪かったら、自己判断せずに即ドクターに診てもらう事。

タビロック夫妻が私たちに教えてくれた。

erika