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衝撃のお料理教室(5)

 
 
 
 
その後も シンディによる 衝撃的な ”アジア風”料理は続いた。
 
 
といっても シンディが一番 「これぞアジア料理!」と思っているのは
 
 
どうやら タイ料理のようだったが・・・。
 
 
我々は アジアというと 勝手に 中国・韓国・日本あたり・・・を
 
 
想定してしまいがちだが 西欧人にとってのアジアは 実に 様々。
 
 
世界から見た アジアの範囲とは とても広いのだ。
 
 
 
例えば アメリカで 「アジアに興味があります」というと
 
 
モンゴルやチベットを指す人もいるし、
 
ダライラマが大好きで 仏教にハマってます~とか、
 
 
軍人関連では フィリピン、カンボジア、ベトナムあたりに暮らした経験があり、
 
 
現地で結婚して 妻がそちらの方 出身とか、
 
 
最近では その政治状況から ミャンマーに
 
 
親近感を抱いている人とか。
 
 
さらには インドやインドネシアが好きという人もいて
 
 
アジアといえば 「当然、その辺」と 考えている人もいる。
 
 
 
だから シンディ―のいう 「アジア料理」の範囲も
 
 
実は 我々日本人生徒の想像の範囲を超えて とてつもなく 広かったのだ。
 
 
 
 
そして この日は ベトナムのフォーを使った料理だった。
 
 
ベトナム料理は 我が家も大好物で
 
 
実は アメリカで 本物のアジア料理のレストランを探すなら
 
 
ベトナム料理店に行くべきだと思っている。
 
 
日本料理店を日本人がやっていることは稀だし、
 
 
日本の食材で新鮮なものは アメリカでは 手に入りにくい。
 
 
中華料理は 完全にファーストフード化されてしまっているし
 
 
韓国料理もおいしいが やはり アメリカ風になりつつあり 
 
 
しかも 本物の韓国レストランが存在する地域は限られている。
 
 
その点 ベトナム料理店というのは 生粋のベトナム人が営む
 
 
ベトナム人向け(もしくはベト戦で現地暮らしを経験した退役軍人向け)の
 
 
レストランであり、 あまりメジャーな地域にはないが
 
 
かなりの 「本物」だ。
 
 
こうした生粋のベトナムレストランで食べる「フォー」の美味な事!!
 
 
残念ながら マンハッタンやNY郊外といった都会には
 
あまりベトナム人が暮らしていないので 庶民的で なおかつ
 
本格的なベトナムレストランはないのだが、
 
地方に旅行に行ったときに 食事に困ったら
 
是非 ネットやiphone で ベトナム料理店を検索して
 
行ってみてほしい。 多分 ご期待に添えるはず。
 
 
 
 
 
しかし ここは NYの料理教室。
 
 
シンディ―の信条は 「アジア料理の紹介」ではなく
 
 
あくまでも 独自に開発した アジア「風」西洋料理。
 
 
フォーも ベトナム風な使い方は しなかった。
 
 
チキンスープでのばしたピーナッツバターのソースに絡めて
 
 
パスタのように食べるというのだ。
 
 
確かに ベトナムでは ゴマよりも ピーナッツ。
 
 
実際に ピーナッツオイルや砕いたピーナッツをからめた麺料理もあったと思う。
 
 
あんまりピーナッツバターのイメージはないが 
 
そういうのも アリなのかもしれない。
 
 
シンディは 念を押す。
 
 
「 注意してほしいのは  ピーナッツバターといっても 
 
 アメリカのスーパーで売っているような
 
 普通のピーナッツバターじゃだめよ! あれは 添加物の塊!
 
 絶対に Whole Foods に行って。 
 
 あそこでは ピーナッツをその場で
 
 ピーナッツバターにひいてくれる機械があるから
 
 わたしは そこでしか買わないようにしているの。
 
 ビン詰ではなく 目の前で作ってもらった 新鮮なピーナッツバターの味は
 
 全然 違うから 是非 この料理には whole foodsの ピーナッツバターを
 
 使うようにしてね」
 
 
なるほど。
 
 
さすが 料理研究家。 素材にもこだわりがある。
 
 
たしかに 瓶詰のピーナッツバターは なんとなく独特の匂いと味がして
 
 
あまり健康的なイメージはないが 
 
 
これを ちゃんとしたペーストとして使えば
 
いわゆる日本の ゴマペーストのようなものなわけで
 
麺と和えると おいしいかもしれない。
 
 
これは 意外とイケるかもと 密かに期待していると
 
 
やっぱり シンディ。
 
 
ここに 「ありえない」チョイスを 持ってきてくれた。
 
 
 
「 さて このピーナッツペーストで和えた麺に 具をいれていきます。
 
 具材は こちら。
 
 
 まずは スキャリオンね」
 
 
 刻んだスキャリオンを加えていく。
 
 
 スキャリオンとは万能ねぎのようなもので、これは まだ いい。
 
 
 ところが 次。
 
 
「 それから これが このメニューのスペシャルよ。
 
 
 これは 私は 最近 知ったアジアの食材なのだけど すばらしいの。
 
 
 みんなは 知っているかしら。
 
 
 シイタケマッシュルームっていうのよ。」
 
 
シンディが得意げに出してきたのは アメリカでは手に入れるのが難しい
 
 
生しいたけだ。
 
 
彼女は 中国系のスーパーに行って 買ってきたと言う。
 
 
「 この シイタケマッシュルームというのは 普通のマッシュルームとは違って
 
 色も濃いし 味やにおいも とても風味豊かなの 」
 
 
確かに そうだ。
 
 
しいたけって いい出汁になるし 畑のお肉といわれるぐらい
 
 
いい仕事をしてくれるよね。
 
 
 
「 今日は このシイタケマッシュルームを スライスして~~~~~」
 
 
うん、うん。
 
 
しいたけをほめられると 日本独自の食材というわけでもないのだろうけど
 
なんだか 自分が褒められたようで うれしい。
 
是非 しいたけの実力を知ってもらいたい。
 
 
が。
 
 
 
シンディっ!!!!
 
 
 
次の瞬間 それは 私たちの想像を超える事態が 待ち構えていた。
 
 
 
「 スライスした シイタケマッシュルームを~~~~
 
 
 このピーナッツバターで和えた麺に~~~~~
 
 
 
 入れますっ!!!!」
 
 
 
完成?????
 
 
 
えっ????
 
 
 
しいたけ 生だけどっ?????
 
 
 
しいたけとの付き合いは長いが まさか 薄切りにしたしいたけを
 
そのまま料理に放り込んで 食べるという発想は
 
なぜか 思い浮かんだことがなかった。
 
 
その場にいた日本人誰もが びっくりして 声が出なかったし
 
アメリカ人の生徒は 初めて聞く 「シイタケマッシュルーム」なる物体に
 
興味津々だった。
 
 
さて お味の方は・・・・
 
 
 
 
まぁ 麺は予想通り ピーナッツの味。
 
 
悪くはない組合せだけど やはり日本人としては ゴマソースで合えた方が
 
 
おいしいかなと思ってしまう。 でも これは 好みの問題。
 
 
しかし 問題は ナマのしいたけである。
 
 
確かに アメリカでは マッシュルームを炒めたり 焼いたりする一方で
 
 
サラダに 生のスライスを入れることが多い。
 
 
新鮮な白マッシュルームをスライスするときの感触にはワクワクするし
 
サラダにマッシュルームが入っているとうれしい。
 
私は アメリカで自分でサラダを作るときには 必ず 入れる派。
 
でも 生のしいたけは どうなの・・・・?
 
 
 
人生初の ナマしいたけ 体験は 
 
 
 
 
 
 
 
実に 無味乾燥。
 
 
 
しいたけって 生のまま食べても あまり味がしないことがよくわかった。
 
やわらかいから 食感もあまりないし
 
ピーナツバターの風味で しいたけの味は かき消されていた。
 
 
 
 
 
この生しいたけ体験は けっこう衝撃だったので
 
教室が終わった後 思わず 残る日本人の一人の香奈さんに
 
声をかけた。
 
 
 「しいたけって 生で食べるのは 初めてでしたけど
 
 生でも食べれるものなんですねぇ~~」
 
 
すると 明らかに年上で主婦歴も長い香奈さんが 
 
 うっすらと軽蔑のまなざしで まくしたて始めた。
 
 
「 だめでしょっ~ しいたけをナマで食べちゃ。
 
 だいたい 菌類だから 衛生上の問題もあるだろうし
 
 何より 火を通すことで しいたけの風味は増すのに
 
 生で食べるなんて ありえないでしょ!」
 
 
一刀両断である。
 
 
そっか。
 
 
たしかに しいたけって うまく焼けば それだけでステーキのようなご馳走に
 
 
なると聞いたことがある。
 
 
水分を飛ばして焼くことで 香りや風味 それに食感が増すし
 
 
だからこそ 干ししいたけは高級品なわけで・・・・。
 
 
 
どうやらNYの有名料理学校出身のシェフよりも
 
日本人のいち主婦である 香奈さんの方が
 
しいたけに関しては 正しいような気がした。
 
 
そっか・・・・
 
 
 
見たこともない食材を 正しく調理するのって 
 
プロの料理人でも意外と難しいのかも。。。。。
 
 
(いや、シンディだけか?)
 
 
 
たまたま 私たちの口には合わなかったけど
 
 
ピーナッツバター風味のフォーは 前回の前菜に比べると
 
 
はるかに アメリカ人には 受け入れられているようだった。
 
 
 
 
いよいよ次は メインディッシュ。
 
 
魚介類を使った アジア風のスープ煮込みを作るという。
 
 
これは 普通に おいしそう。
 
 
 
ところが そこで 「ちょっと待った~~~」と 叫ぶ女子、約1名。
 
 
 
アメリカ人の生徒 キャンディスだった。
 
 
 
(次回につづく)
 
 
 

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